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品質差を生む三要素

実行不能領域と実行可能領域

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スライド36 Slide 36

各メーカーは、各々の製造原価予算によって、それぞれ異なる【コスト制限】を持つ。また、各々の規模により、それぞれ異なる【規模による可能性損失】を持つ。【コスト制限】と【規模による可能性損失】が、上のスライドで示した実行不能領域を規定する。

リソース厳選レベルは、この実行不能領域よりも下の領域(実行可能領域)のどこかに位置する。この位置は、各々のメーカーが有する【リソース採用時の非効率性】によって決まる。非効率性の度合いが高い程、位置が下がる。

スライド37 Slide 37

以上をまとめると、以下のスライドのようになる。

スライド38 Slide 38
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品質差を生む三要素

したがって、異なるメーカーの同種リソースの厳選レベルの差は、【コスト制限】の大きさ、【規模による可能性損失】の大きさ、【リソース採用時の非効率性】の大きさの三要素に分解できる。

スライド39 Slide 39

そして、品質とはリソースの能力(リソースの能力:靴の品質を上げる力)の総和であるから、靴の品質の差も、同様に以上の3要素に分解できる。

私は、より品質を高めたいと考えているメーカーや、他メーカーとの提携を検討している業者に対してコンサルティングを行うこともあった。その際には、まず、当該メーカーの製品の品質が、製造原価の水準と規模に対して妥当か否かを判断する。妥当でなければ、リソース採用時の非効率性が大きく、製造現場の品質管理や材料の調達に改善の余地があると推測できる。

また、あるメーカーと代理店契約を結んだり、あるメーカーの製品の取り扱いを検討している流通業者から相談を受けることもあった。その際には、当該メーカーの製品の品質が、価格に対して妥当か否かを判断する。妥当でなければ、製造原価水準、規模、リソース採用時の効率性の、いずれに問題があるのかを考察する。その考察では、販売価格、そのメーカーの実店舗の数、広告宣伝の方法および量、そのメーカーの所有形態(オーナーが誰なのかということ)等から、逆算的に製造原価水準や規模を算出する。この2つが特異でなければ、リソース採用時の効率性に問題があると考えられる。

以上にように、品質の妥当性は 【コスト制限】【規模による可能性損失】【リソース採用時の非効率性】の3要素に着目することによって判断できる。

つまるところ、品質レベルはこの3要素によって説明できる。この3要素が小さい程、品質レベルが高まり、この3要素が大きい程、品質レベルが下がる。

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高級靴という製品の特異性

高級靴という製品は、同価格帯の製品でも、その品質差が大きい。その理由の一つは、同価格帯の製品を作るメーカーでも、それぞれが有する【コスト制限】【規模による可能性損失】が大きく異なることにある。

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広告を沢山打って実店舗を何件も持っている(販管費が大きい → 製造原価予算が圧迫される → コスト制限が大きい)メーカーもあれば、そうでないメーカーもある。オーナー(メーカーの所有者。株式会社なら株主)が莫大な利益を求める(利益が大きい → 製造原価予算が圧迫される → コスト制限が大きい)メーカーもあれば、そうでないメーカーもある。毎月10,000足完成させるメーカーもあれば、1,000足完成させるメーカーもあり、10足完成させるメーカーもある。

他の業界においては、同価格帯の製品を作るメーカーであれば、販管費率、利益率、製造原価率、規模が近い。だが、革靴業界においては、同価格帯の製品を作るメーカーであっても、それらが大きく異なるのだ。

ゆえに、高級靴という製品は、同価格帯の製品でも、その品質差が大きい。

【補足】

メーカーの予算売上高を予測販売数で割ると、販売価格になる。販売価格は、1足あたりの製造原価(製造原価予算を予想販売数で割ったもの)1足あたりの販管費(販管費を予想販売数で割ったもの)1足あたり利益(利益を予想販売数で割ったもの)に分解できる。

上述の通り、高級靴のメーカーは、同価格帯の製品を作るメーカーでも、販管費率や利益率が大きく異なるため、同じ20万円の靴でも、 1足あたりの製造原価、1足あたりの販管費、1足あたり利益が大きく異なる。

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